プロローグ
ライオンズが5割に戻して四月を終えた。
これは一つの奇跡だと言ってよいと思う。
ライオンズだけではなく、他チームもそれぞれの不幸な理由で、主力を欠く展開は確かに続いている、と言いつつ、あのロシアの文豪の有名な小説の冒頭を思い出す…。
幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。
然し、我が獅子軍のそれは、度を超えている。
既にそれについては拙ブログにも一端を書かせていただきました。
(出所: ニッポン放送オンライン)
個々の選手の活躍も勿論、その要因なのですが個人的には、辻発彦という、燻銀の名将の地味なインサイドワーク(ハート・ワーク)が光っている様な気がしてならないのです。
エース降臨
「お前がエースだ」と公言し、期待している事を明確に示しつつ、自覚と成長を促し組織を牽引させる。
これはビジネスにおけるチーム・マネジメントに於いても一緒ですね。
この位置をキープ出来ているのは、あのか弱かった万年エース候補・高橋光成 #13 が昨年後半から逞しく成長して今期、当にエースの大車輪の活躍(無敗四勝)を見せてくれてるからですね❗️
性格もナチュラルな「かわいい」「現代っ子」の典型の様な、光成くん。
ピッチャーとは自己顕示欲🌟と競争心🔥の高い、「いやらしい性格」でないと大成しないとかつては言われてましたが、ライオンズの最近の子達は、菊池雄星といい、実に天真爛漫な、愛すべきキャラが多くて、見ていて仄々しますね。
【動画】ライオンズ・高橋光成投手ヒーローインタビュー 4/30 F-L - プロ野球 - スポーツナビ パーソル パ・リーグTV
(出所: パ・リーグTV)
この光成くん、意外なミーハーというか、積極性を紹介する記事があり、興味深く読ませて貰いました。。。
ライオンズの歴代エース達へ、果敢な「グラブおねだり」❣️
戦利品は以下の通り🤣
西武高橋の自宅リビングにある3つのグラブ(左から松坂、西口、岸のもの。本人提供) ― スポニチ Sponichi Annex 野球
(出所: スポニチ)
◆西口文也 #13
(出所: 文春オンライン )
◆岸 孝之 #11
岸への憧れについて纏められてます。 ↓
西武・高橋光成「岸孝之さんのボールを見てプロの凄さを知った」|プロ野球|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
◆松坂大輔 #18
(出所:Sankei)
偉大な、この名門球団が誇るエース歴々に憧れ、背中を追いかけ、
「自分もそうなるんだ!」
という秘めたる決意の表れなのかもしれません。
西武・高橋光成「岸孝之さんのボールを見てプロの凄さを知った」|プロ野球|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
話を戻すと、球団を挙げて、そういうエースの卵の日々の成長に目を細めながら、的確な起用と、性格を踏まえた育成指導をしてきた賜物ではないでしょうか。
その中心にいたのは、間違いなく名将・辻発彦。
【高橋光成四勝目、監督インタビューから抜粋】
> エース
エース、エースよ。本人は納得してないの。
> 本人は周りが評価してと
本当のエースにならないとね。チームの中のナンバーワンじゃなくてよ、やっぱりエースと言われるピッチャーにならないといけない。どう考えても先発ピッチャーの中ではナンバーワンでしょ。こんだけ負けてないんだから。平井も3勝してるけど。そういう意味では負けないこと。自分が調子悪くても試合を作っていけるという、そして劣勢でも打ち勝ったという試合になってくれれば負けないだろうし。まあそういう意味ではシーズン終わってからと言う気持ちもわからないではない。
西武辻監督、長髪の高橋が勝利に「くっそー、あの髪切れなかった」一問一答 - プロ野球 : 日刊スポーツ
(出所) 日刊スポーツ
ちょっと上記ボールドした辻監督のコメントは、分かり難いですが、
意訳すると、
ライオンズのエースたる者、チームNo.1で満足するな。相手チームから恐れられる絶対的な存在となれ❗️
という事でしょうか。。。
日々精進ですね。
この大器なら淡々と、飄々と、やってくれると思います。
常勝軍団・黄金期のライオンズからの悪き伝統、エースの亡命😢
ライオンズで最後を終えてくれたのは、あの 東尾修#21 迄遡らねばならない悲しさ・虚しさをファン達は噛みしめて来ました。
FA制度も出来、アメリカナイズされた現代NPLにあって時代遅れのノスタルジーと言われようとも、獅子のエースには故郷で骨を埋めて欲しいと思うのは変わらぬファン心理/人情ですよね。
この過去には皆さん、語り尽くしているので、今更アレコレ言うつもりはありませんが、出来立てほやほやのエース・高橋光成がメジャー挑戦以外で他球団へ去る様な事のない事を願ってやみません。
その為にも、今の若いタレント集団をノビノビ育てながら結果を出し続けている辻監督が作り出している、この良い雰囲気を継続させていって欲しいんです❗️
選手への惜しみなく限りなき愛
この選手達から醸し出されている何とも言えない「良い雰囲気」は、何処から来ているのでしょう?
漏れ伝わってくる監督のコメントや表情からは、選手達への温かい愛情が溢れてるんですよね。
野村ID野球、落合オレ流、巨人V9時代の頭脳・森マサアキと稀代の野球脳の薫陶を受け続け、自らも栄光の黄金時代を泥に塗れながら地味に支え続けた燻銀の様な、歴代最高の二塁手と呼び声高い野球人の経験知、勝負勘。
控え目に言って現在の野球界にあって指導者としての超一流・保守本流の知見・引き出しを持っている唯一無二の存在と言えると思うのですよ。
この名将の手腕と、ライオンズという屈指の名門球団が蓄積したドラフティング能力と選手育成能力、これが地味に噛み合って、織りなす実に渋いハーモニーが、この位置でギリギリ踏みとどませている。
それでいて、下記のコメントに見られる愛情と茶目っ気溢れる
くっそー、あの髪の毛切れなかったよ。そういうわけじゃないか。負けたら切るとか言うてるからそれはいかんか。もっと肩ぐらいまで伸びるように勝ってくれればいいです。
令和をときめく現代っ子の選手だって、
「この監督の為なら」
と意気に感じて、頑張る好循環があると思うんですよ…。
光成だけではない。
今年、タケノコの様に生えてきた若林に代表される若手の可能性を的確に見抜き起用した慧眼と英断。
伸び悩んでいた中堅どころ(台湾の希望・呉念庭や、愛斗)が花開いたのも、今思えば、去年までレギュラーが固定され、控えとの実力差がありすぎて、その層の薄さは、まるであの名作・スラムダンクの「湘北高校みたいだよね」と揶揄されてきたライオンズの中にあって、地味に、使える所で使い経験を積ませ続けてきた布石あったればこそ。
エピローグ
あの球史に残る「悔し涙」からもう、はや三年が経とうとしている今期。
今年こそ、辻発彦を日本一にして、漢にしたいと思うのは、
そして、1987年ジャイアンツを捩じ伏せ日本一になった象徴として輝くこの「奇跡の走塁」で見せた満面の笑顔をもう一度、監督として見たい‼️、と思うのは
選手とファン共通の願いかと。
今日も名将・辻発彦に感謝状を心の中で贈呈をば致しました☺️
だから野球は面白い。
ライオンズが勝った時は更に面白い。